企画段階

企画段階⑤ 【 企画書の書き方・テンプレ 】

計画的にチェスをやっているところ

どうも、木谷です

今回はITプロジェクトにおける企画書の書き方を徹底解説していこうと思います!

小手先テクニックだけではなく、本当に納得してもらえるような企画書になるための根本から伝えていきます

企画書を書く前に

ITプロジェクトで失敗しないために、企画書の概要について触れていきましょう!

何を書けばよいのか?

企画は、社内の承諾を得るための具体的なプランになります

IT導入とは企業にとってそれなりに大きな買い物になります

その費用を払うだけのリターンがあるのか? という部分が重視されます

なので、システムを導入する部門にとってどれほどのメリット・効果があるかを示す必要が有ります

また、現状と導入後ではどう違うのかなども記す必要があります

企画書では、社内で承認を得るためのメリットを盛り込む

誰に確認するか?

プロジェクトをはじめるとなったら、まず最初にするのが企画作りです

前回もお伝えしましたが、企画の前にヒアリングをする必要があります

ヒアリングは、幅広い部門に聞いていく必要が有ります(経営層、IT部門、導入先の部門の3つ)

IT導入におけるヒアリングのポイントはこちらにまとめていますのでご覧ください!

恒例の方々が、壁に寄りかかって話している様子
企画段階④ 【 ヒアリング 】どうも、木谷です 今回はIT導入における企画段階の社内でのヒアリングのやり方について解説していきたいと思います! ヒアリングをし...

ヒアリングを色々な人にしましたから、当然書く内容もそれぞれ違います

経営層

ヒアリングの記事でも少しお伝えしましたが、経営層に企画が通らないと話になりません

経営層に対しては、会社全体の方針、導入の概要、予算などを確認します

トップはまず最初に突破しなければならない部分になります

また、これから進めていくITのプロジェクトの軸となるのでヒアリングをしっかり行いましょう

導入先の部門

実際にITシステムを導入する先のヒアリングももちろん欠かせません

もちろんITの部門の意見よりも大事になってきます

今回の企画段階では、「なにを導入すればいいか」ではなく「現状の課題」を掘り出しましょう

お客さんのの流入は減った、営業部の成績管理に時間がかかっている、などです

IT部門

ITの部門は、もし現状別のシステムがあるのならそれの構成図や、今回企画中のシステム構成図などを書いてもらいます

またシステム上の課題、予算感なども一緒にきいておくと良いでしょう

目次で企画の枠組みを作る

では、さっそく企画書を書いていきましょう! と、言いたいところですがその前にするべきことがあります

ITプロジェクト企画をする前に、目次が必要です

企画書は人に伝えるものですから伝わりやすくする必要があります

当メディアGALでも記事の構成から初めます(分かりやすいと感じて頂けたら幸いです…!!)

企画書を書く前に目次で枠組みを作る

まず目次の候補を出す

とはいっても、すぐに目次ができるわけではありません

細部の前に大まかな構成要素を出していきましょう

現状の課題 課題がある場合は必ず書きましょう。 ITを導入する背景には何かしら問題があるはずです。 新規サービスであればターゲットの課題であり、社内システムであれば業務の課題です。 それを挙げない限り始まりません。
導入の背景 「現状の課題」の背景を書きます。 どのようなことが原因で起こっているのか? いつから課題が見えるようになったか? 問題に対する社員の反応は? などが当たります。
導入の目的 今回の企画の軸になります。 課題をどうしたいのか? という話です。 もちろん解消することが答えになるかと思いますが、会社全体としてどのように持って行きたいのか? ということが問われます。 ベンダーとの共通言語になる部分ですので、しっかり固めましょう。
期待される効果 関係者に一番見せるべき部分であり、納得してもらえるかどうかの鍵となります。 解決後の姿を時間面や金銭面を数字やチャートを通して視覚的に伝えることが目的となります。
方針 プロジェクトを進める上での流れになります。 目的を大まかに方法論に落としこむ部分です。 プレを早急に仕上げてテストマーケティングをする、パッケージの採用をして短期間で導入するなどです。
システム概要図(現状) 現状のシステムの図になります。 視覚的に誰にでも分かるものにするのがポイントです。
システム概要図(案) 導入後のシステムの導入の図になります。 ベンダーと交渉前のため完成形ではありませんが、案として提出します。
要件定義一覧 具体的にどのような機能がほしいのかを一覧にします。(詳しくは別記事) ただし、厳格に決めるフェーズではありません。 まずはなにがほしいかをヒアリングによってリストアップする段階です。
プロジェクト体制図 プロジェクトの担当・組織図を決めます。 特に部門をまたぐプロジェクトではこの体制図がないと揉めることがあります。
スケジュール 大まかな工程計画を立てます。 ただしベンダーとの交渉前ですのでそれほど厳密になる必要はありません。 (詳しくは別記事)
予算 あらかじめ決まった予算がある場合記載します。 ベンダーと交渉する前なた前この時点では案になります。
費用対効果 効果と予算の組み合わせなようなもので、投資の回収スケジュールを立てます。 社内効率化システムであれば浮いた人件費による生産性の向上で投資効果を測ります。

要件定義一覧について詳しく

スケジュールについて詳しく

この中から選んでもらったら間違いないと思います!

必要な目次項目だけピックアップする

では、選んだ目次に振るいをかけていきましょう

なにも難しく考える必要はありません

どの項目なら書けるか? という判断基準で大丈夫です

システムの現状がそれほど難しくなく、わざわざ説明するまでもないなら企画書に入れ込む必要はありません

結局は、相手がこの企画書を見てどう思うかですので、分かりやすく効果が伝わるようにすればよいです

経営層なら投資効果を気にしますし、ITの導入先なら期待される効果が響きます

また、現状の課題は現場にいない社内のトップ層に響くでしょう

ITプロジェクト企画書を作っていく

ではさっそく企画を作成していきましょう!

テンプレもご用意していますのでぜひご活用ください

ストーリーが企画が通る鍵

人は心理的にストーリーに惹かれます

企画におけるストーリー構成は以下のようになります

  1. 課題
  2. 目的
  3. 効果

です

現状に課題があって、それを解決するための目的に価値が生まれ、それを具体的にすると効果になります

人を説得させるために必要なのがこの一連のストーリーの流れなのです

課題

課題の解決によって世界は豊かになったと言っても過言ではないでしょう

いまから導入する先(お客さんであっても社内であっても)は現状何かしら課題を抱えています

この課題はヒアリングによって引き出されます

よくマーケティングでは、「潜在的な痛み」などと言われますが、まさにそこまで引き出す必要が有ります(表面的に聞くだけではない)

ここは現場をよく知っている者が主体となってすべき部分です

目的

目的は、単純に課題と1対1で対応させるのではなく、一段高いところから解決方針を示すことが大事です

つまり部分最適ではなく全体最適解を導き出すのです

例えば、タクシー料金が高いという課題に対して安くするのが部分最適にあたります

一方、運転手を民間人にするシェアリングを導入することで車の固定費を下げて、運賃も下げることが全体最適というわけです

ある意味経営的な考え方が求められるとも言えます

効果

IT導入でどれほどの効果があるのかを示すなら数値化が不可欠です

システムは会社にとっても高い買い物ですから、経営層もそれなりに慎重になります

これを数値化・グラフ化して投資額を回収できるのかどうかを示します

引用: エンタープライズ

ただもちろんそう予想通りにいくわけではありません

予算オーバーになることもありますし、それほど効果が得られないこともあるでしょう

また、セキュリティの強化であれば一層投資効果を計算することは難しくなります(攻撃の可能性・損失額の計算はもちろんできますが、確率が小さいので正確な数字はでません)

しかし、それでも数値化は重要です!

すべての金額換算は難しいですがそれでも数値化や定量化を試みることは重要です

そうしないと効果が測れないからです

そのための工夫として以下の表のように目標と中期指標、長期指標に分類して考えてみると良いでしょう

IT導入の目標・指標の表

引用: Marketo

企画書テンプレート

社内システム導入なのか、新規サービスなのか、WEB制作なのかによってテンプレートは様々になるでしょう

なので、今回は様々な企画書が取りそろえられているサイトをご紹介します(色々使っていましたが結局ここに行き着きました)

bizocean

まとめ

企画書には経営層・導入先・IT部門のヒアリングが必須

目次を先に定める

ストーリーを活用する

数字による効果の見せ方は絶対する