どうも、木谷です
今回はベンダーとの共通言語ともいえる要求定義一覧の完成に向けて手を動かしていきましょう
要求定義一覧を作る前に
いきなり書き始めよと思ってもいいことはありません
要求定義は会社全体で決定する必要が有ります!
プロジェクトの成功を左右する工程
「無駄な機能はたくさんあるのに必要なものが欠けているような…」
「費用のほうが圧迫している」
「サイトからのお客さん流入が全く無い」
これらはIT導入がうまくいかなかったと嘆く担当者のコメントです
原因はどこにあるのでしょうか?
もちろんITベンダーの力不足かもしれません
しかしそれ以上に自社が的確な要求定義ができていなかった可能性があります
特に、無駄な機能が増えてユーザーインターフェースが悪化したり効率が悪くなるといった例では責任が顕著です
定義が曖昧だとベンダーが勝手な思い込みで進めてしまいどんどん使われない機能が増えてしまうことがあります
もちろん、ベンダーがその都度聞けばよいのでは? と言ってしまったらそれまでなのですが、現によく起きてしまう問題なのです
そのような齟齬が生じるリスクを避けて、自社が作りたいものを作るために要求定義一覧があります
ベンダーとの面談の前に社内で見解を統一
ただし、要求定義一覧はベンダーと会う前に確立させなければなりません
なぜならば、ベンダーの営業は上手(特に信頼の厚い大手)で、ついあれもほしいこれもほしいとなってしまいます
身近なものでいらないはずなのに、なんだかほしくなってしまう経験はないでしょうか?
また、いる! とその時は思っていたのに結局使わなかったものというのはたくさんあるはずです
つまりベンダーの誘惑を拒否するために要求定義一覧をつくるといっても過言ではないでしょう
何も準備せずにベンダーの質問に答えていると自分たちの要求が場当たり的なものになってしまします
きちんと軸を持っていなければ、思いつきで出てきた言葉をベンダーに伝えてしまい、社内の整合性もとれなくなります
なので、まず要求定義一覧を作成して、関係者と合言をとっておきます(この時齟齬や不安は一切ない状態にしておかなければなりません)
また、ベンダーとの面談も複数で臨むことがよいです
それほどこの要求定義というフェーズは大事なのです
関係者を越えてヒアリング
プロジェクトメンバーだけでなく、実際のシステムを使っているエンドユーザー、関連部署、経営層など幅広く声をかけます
多くの声を拾うことは時間も手間もかかるでしょう
しかし声をかけることで、社内に本気度が伝わるというメリットがあります
さらに声をかけられた本人に関係者意識が芽生えてその後協力してくれる確率が高まります
また、経営層もシステムに対するこだわりは強いので絶対に声をかけておくべき対象です(なかなか難しいかも知れませんが…)
ヒアリング(特に経営層)については、コチラの記事にまとめていますのでご覧ください
要求定義一覧をの作り方
では具体的に要求定義をしていくフェーズに入って行きましょう!!
徹底的にリストアップ
まずは、「数」です!!
圧倒的「数」に尽きます
先ほどご説明したように、幅広い関係者からヒアリングをします
この段階で、「技術的にこれは不可能なのでは?」「予算オーバーになりそう」ということは一切考慮しません
それはベンダーが考えれば良いことなのです
ベンダーのアイデアによって予算内におさまることはよくあります(競合から勝ち取るために、有利な提案をしてくれるベンダーも多いです)
また、要求に粒の細かさのばらつきが生まれることも多々あります
この時点で気にしなくて大丈夫です
とにかく社内全体で漏れを失くすことが必須です
ただし、理解できない部分がないようにしっかりと分かるまでヒアリングしましょう(ここでの齟齬は致命的です)
また、システム的な観点は必要ありません(パスワード管理は〇〇、通信は〇〇という暗号など)
なぜならば細かくし過ぎると、本当に必要な機能が埋もれてしまうからです
リストに優先順位をつける
一通り出尽くしたら優先順位をつけていきます
もちろん現場の意見は大事ですが、導入先の考え(業務部門、お客さんなど)だけでは部分最適化に陥りやすいです
経営層・業務関係者・IT担当と全体的に確認していきます
順位の付け方は以下のように決めます
- 目的達成のために必須か(全体最適化)
- 導入先にとって重要か(部分最適化)
- こだわりたい機能化
なお、この時点で優先順位の低い機能は対応見送りをきめることもできるのですが、ベンダーの提案を受けてから決めたほうがお得です
ベンダーに聞いてみたら、その機能はほとんどタダで出来ますよ! なんて風に言われることも良く有ります
最後には、社内関係者の合意を得ましょう!
要求定義一覧のテンプレート
こちらが要求定義一覧のテンプレになります!!
また、実際の書き方のサンプルはこちらからダウンロードください
ベンダーの営業トークに誘惑されないようにあらかじめ社内合意は必須!
最初はヒアリングで要件をとにかく集める
全体最適化の視点も踏まえて、優先順位を付ける
最終社内合意も忘れずに!